岡山県中小企業団体中央会  専務理事 黒住 敏行

 

我が国経済は、政府による三本の矢(金融・財政・成長戦略)からなるアベノミクスの強力な推進もあって、円安・株高を背景にした輸出産業や大手企業を中心に収益の向上に繋がっており、雇用の拡大や賃金のアップ、そして、事業再生から設備投資、個人消費などにも回復傾向が見られるなど、経済に明るい兆しが見られます。

しかしながら、地方の中小企業経営においては依然として、円安に伴う燃料や原材料の高騰、人件費増などのコストアップから収益状況の改善が進まず、また、有能な人材の確保にも苦労するなど、多くの中小企業は依然として景気回復の実感が享受できない状況が続いています。

これまでの社会構造から、都市と地方の経済格差の拡大が進む現状にあること、一方では、将来にわたる少子高齢化・社会保障、雇用対策、TPP・エネルギー問題、震災等大規模災害への備え、インフラの整備など課題は多岐にわたりますが、政府においては持続可能で着実な経済成長を成し遂げる「日本再興戦略」の早期実施はもとより、「地方創生」対策として、中小企業や地域で独自に取り組む魅力ある成長分野などに対しても強力な支援を望むものであります。

これまでにも、事業協同組合をはじめとする中小企業連携組織は、共同事業を通じて、経営の合理化・効率化、取引条件の改善、資金調達の円滑化、研究開発、人材の育成や環境問題など経営課題の解決に寄与してきましたが、今後ますますこれらの機能・役割は、地域経済を振興・発展させるうえで、大いに期待されています。

岡山県中央会は、これら中小企業の連携組織に対する専門支援機関として、中小企業者や中小企業組合等のニーズを的確に受け止めるため、各種セミナーや若い経営者を中心とした「おかやま未来交流会」での地域経済の活性化に関する提案や意見交換などを行い、効果的な施策については関係機関とも連携して積極的な支援を展開してきたところであります。

本年度の重点的な取り組みとしては、本格的なグローバル経済の中にあって海外進出、観光に着目したイスラム圏向けのハラール商品の開発、地方創生の手段として注目されつつあるクラウドファンディングによる資金調達と顧客獲得、中小企業・小規模事業者が開発したものづくりの新技術・製品の販路開拓支援のほか、農商工連携による新商品の開発とアンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」を核とした首都圏への販路拡大、有能な人材の確保、商店街の活性化への支援、そして、外国人技能実習生制度の大幅改正に伴う組合の設立、新たな人材の受け入れへの支援も行うことにしているところであり、今後とも、チャレンジする意欲のある組合・企業を応援していきます。

中央会は、組合等の皆様に「信頼される中央会」として、全職員が共通認識と決意のもと、県下の中小企業組合と一層の連帯感を高め、地域経済の振興・発展に取り組んでいく所存であります。