

備前片上は江戸時代、旧山陽道沿いの本陣・脇本陣がある宿場町として栄えてきました。
伊部で焼かれた備前焼の積み出し港としても、津山街道への追分[街道の分岐点]としても、重要な陸海交通の要衝として発展してきました。
かつてはここを南拠点として、県北の柵原町(現・美咲町)へ至る片上鉄道が走っていましたが、1991年に廃線となり、現在は吉ヶ原までの全長約36kmがサイクリングロード「片鉄ロマン街道」として整備され、その道筋には鉄道跡の遺構を見る事ができます。
片上商店街は、JR赤穂線西片上駅から南へ徒歩で数分の距離にあり、JR赤穂線、国道2号線と並行に通る旧山陽道沿いの、北東から南西へ400m程の長さの商店街です。
振興協同組合は東から福原、北の町、市中の3つの商店会から構成されています。
昭和44年頃つくられたアーケードは、現在は一部のみを残して撤去され、残されたアーケード内の舗道はレンガ敷き、それ例外は歩行者に安全なカラー舗装が施されています。
商店街には、お年寄りが休憩できる「ふれあい広場」があり、お雛様を飾ったり、絵画展や踊りの教室を開いたりできる施設としても活用されています。
また、空き店舗跡を商店街の駐車場にして一角を「障害者用トイレ」にするなど、来街者にやさしい街づくりをめざしています。
毎年行なわれる7月下旬の夏の土曜夜市では、宝探しのイベントが人気となっていて、地元の多くの人が参加しています。
商店街アーケード内でハズレ券と当たり券を大量に路上にばら撒く独特の方法で、当たりが1600本と多く、豪華な賞品が準備されているそうです。
現在組合員数34で、歴史ある旅館、県内各地に店を展開する人気のケーキ屋さんの本店などがありますが、少し足を延ばせば静かな入り江が見える立地にある、歴史ある地元密着型の商店街です。
西大寺門前町商店会は岡山市東区西大寺地区にあり『西大寺会陽(はだか祭り)』で有名な吉井川沿いの西大寺観音院の仁王門付近に位置しています。
西大寺は江戸時代以前から、門前町であると同時に県北と関西方面をつなぐ川港として栄えました。物資集散地として問屋が栄え、現在の岡山市表町商店街エリアへ多くの商家が進出しています。
戦国大名宇喜多直家が西大寺から岡山へ呼び寄せたもので、岡山市の西大寺町(現在の住所は表町)の町名はここからきています。
観音院付近の商店街沿いには大正時代のモルタル洋風看板建築がみられ、江戸末期から明治にかけて建てられた、漆喰塗り込め・なまこ壁の商家も点在するため、門前町商店会に続く五福通り商店街は、映画『ALWAYS三丁目の夕日』の舞台となりました。
門前町商店会でも、玩具屋、駄菓子屋など古くから商いが続く商店が点在していて、現在、この地区は美しい街並みを保存すべく、「町並み保存」の援助金などを活用しながら、街の環境を良いまま後世に伝えられるよう取り組んでいます。
カラー舗装された歩きやすい道路、和風屋根をイメージした街路灯が配されたレトロな雰囲気の商店街は7月『夏まつり西大寺』、2月『西大寺会陽』などの時期、多くの人出で賑わいます。
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